「僕の見たビートルズはTVの中」という斉藤和義の曲がある。
私もビートルズは映像しか見てない。日本公演の時は2歳w
ジョン以外の日本公演は全部、みたけど・・・という話は置いといて。
で、何故か、そのタイトルがこう変換されるのです。

「僕の中の(小倉)東洋軒は想い出の中」

突然の閉店から丸1年を経過しました(事実上は6月中旬営業停止、7月6日付で従業員解雇)
※ちなみに、この情報書き方を、そのまんま勝手に引用されているネット記事を拝見しました(苦笑)

昨年末に建物が解体されて駐車場となり(画像)
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見た目にも、私の思うところの東洋軒=有限会社 小倉東洋軒は消滅しました。
このブログを、沢山の方から閲覧していただき、また、コメントいただいて。
思い入れのある方が多いんだなぁ、と改めて思いましたし、感謝するとともに、私なりのケジメの気持ちを綴ります。また、併せて、少し元記事の方も手直ししています。↓↓↓
小倉東洋軒♦半世紀食べた男の回顧 ※閉店 : 北九州〇(まる)かじり!<新館> (livedoor.blog)
(大将とタケノコの項)

おそらく、復活を願う方も多いかとは思います。でも、私の中では、もう、タイトルの通りなんですよね。おまとめ的なレスで申し訳ないです。もう、ないものはないのです。ようやくそう思えるようになりました。

理由は、チラホラとブログにも綴っていますが、整理すると。。。

「レシピだけでは再現できないものがある」
なんですよ。一般的にはレシピさえあれば、と言われることがありますが、同じレシピでも作り手によって出来栄えは違いますよね?作り手の工夫やコツ、センスでも違います。
全く同じ味は再現できない、とみてます。同じ人が作っても、日によって出来栄えは違うから、そこをどう、標準にもっていくか、のコツも含めて。

(ハード面)
小倉東洋軒の場合、末期には事実上、作っていた従業員さんが居たので、もし、あのまま、事業継承しても、そこはクリアできていたかもしれませんが、いずれはカベに当たっていたかもしれません。なぜなら、設備面。本文にも書いていましたが、大将が、その知識を活かして独自に作った設備であり、大将以外はマネできないものだった、という点かなと。壊れた場合、再現できるのか、また、新規で作れるのか?

・特注羽釜でスープを取る設備
・大火力(燃料代=灯油)のコスト

それがペイできる売り上げが必要。だからこその大量の仕込みで抽出されていたスープです。
スープの量もだけど、寸胴や普通に販売しているバーナーでできるものではないと思われます。
いま、ひょっとして権利を取得された?とおもわれるグループさんは、セントラルキッチン方式=1か所の製造場所で作って配送されているようで、その問題は解決済みかもしれませんが、私の個人的感想では、あの風味、そして味は、まだまだ出ていない感じです。何かが違うのでしょうね。タケノコは各店で仕込んでおられるのかな?ワンタンは?材料の仕入先も変わっていることでしょうし。少なくとも骨や肉は変わった?ようです(後日、確認しようとは思ってます)。そして、かつて、一時北九州を席捲したラーメン店主さんに聞いた言葉は「水が変わるとスープも変わる」。なんとか頑張って欲しいトコではありますけど。

(重要なのはスピリッツ)
設備面もだけど、「人」も重要なファクターです。あの大将が居たから、やってた仕込み。自分に厳しく、商売に真摯に向きあっていた大将。だから従業員にも厳しい指導があって。スープだけじゃなく、おにぎりや、タケノコに至るまで、私たちが思う以上に、手間暇かけていたなんだ、ということを知り、ああ、今の時代、ハードル高くて無理なんだなぁ、と。

単純にラーメンが高いとか酷評する方も多かったけど、それだけの手間暇や、コストをかけていたのは間違いなく。聞くところ労働環境も、厳しいようでしたし💦そんなラーメン。今の時代、100%再現できないと思ってます。

先月だったか、酒場で、地元では有名な飲食運営会社の開発責任者の方と話す機会があり「いずれは再現して見せる」とのお言葉でした(近々、小倉に新しいラーメン店を出店されるところです)。私の話を聞いて、闘志に火が付いたのかもw
確かにそれなりな資金があれば、開発できるかもしれない。でもそれは、だれがやっても同じ味となるように標準化されてるのは想像に難くない。個人店ではできたこと、もあるかと思います。

味は寄せられるかもしれない。
でも、その時は「東洋軒」の名はなるべくなら・・・。
大将や、そのスピリッツが継承されてこその「小倉東洋軒」。

私の中では、すでに、「よき思い出」なんです。
噂によると、小倉にも出店があるとかないとか?
興味はありますが、私の中では切り離して、新しいラーメンと思うようにしてます。
もし、味が再現できたなら、それはそれで嬉しいのですが。

最後に。
小倉東洋軒を卒業された従業員の皆さま。
同じラーメンは作れなくても、大将の「人」としてのスピリッツを引き継いで、真摯にラーメンに向き合っているい限り、これからも、個人的に応援したいと思います。